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2024年02月03日

スキニー



引越し作業の片付けの途中
畳んだ段ボールに腰掛けていて
何故に思い出したかは
忘れたけれど
昔、父たちがアメリカの
脱走兵をかくまっていた
話しを思いだしました

父が若かった頃
米軍基地の中で
バンドマンをやっていた頃の話です
時はベトナム戦争時代

ある若い米兵と知り合って
父のバンドのステージの休憩中に
彼はよく
ドラムを触りにきて
無邪気に叩く彼は
とても楽しそうで
明るくてノリの良い彼と
皆んなは意気投合し仲良くなって

それからというもの
父の友達皆んなと
一緒に遊んだり
時には買い物を頼んだりして(おそらくアメリカ製)
利用してしまった事も
あったらしいんだけど
いい奴だったらしい

名前はわからないけど
痩せ細ったルックスから
「スキニー」と皆んなで
呼んでいたそうです

ベトナム戦争は激化していき
彼は
脱走兵になり

父たちは彼を
自分たちのアパートに
一緒に
住まわせてかくまっていた
そうなのですが
ある日、軍に見つかってしまって
突然踏み込まれて
連行されてしまったそうです
暴れて引きずられていく
あの時のスキニーの怯えた顔が
脳裏にこびりついて忘れられないと
父が生前よく言っていました

戦時中の脱走兵は
軍法会議にかけられて
敵前逃亡は
重罪になると聞いたことがあります

今思えば
スキニーも
ほんの子供だったはず

前線にいる人や
送り出してる家族や、
周りの者の立場になって
考えてみた場合
怖いからとか
イヤだからとか
ひとりだけ
抜けがけは
許されない事になってしまう



今日はどうして急に
スキニーの話しを
思い出したんだろう





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Posted by 松田 しのぶ at 09:53│Comments(0)
 
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